怒らないコツ 変えるのは行動だ

SNSを開けば馬鹿な人ばかりでイライラ。怒っている親を見てこっちまでイライラ。こんな些細なことで怒ってしまう自分が嫌いになる。

そんな人に一度は試してみてほしい絶対に怒らないコツをまとめました。

(私自身心理学に精通しているわけでもなく、科学的エビデンスに欠けた内容があります。あくまで私自身の考えであることをご了承ください。)

 

感情は変えられるのか?

これから紹介する方法を試した人の中には自分を責めてしまう人がいるかもしれない。なんて自分は器が小さいんだろう、こんな感情持っちゃいけないのに、ポジティブにならなきゃ、と。だがそんなことを考える必要はない。感情は変えられないというのが私の考えだからだ。

意図的に感情を変えられる人はいるのだろうか。楽しくなくても楽しいふりをする。悲しくても悲しくないと思い込む。できたように感じても、心が楽になることはない。それに感情を自由自在に操れる人がいるならば、その人は座っているだけで嬉しくて楽しくて、恋人といるくらい幸せな気持ちを作れるはずだ。屁理屈かもしれないが、もちろんそんな人はいない。

第一、変えるべき感情というのは存在しないと思う。感情に善悪はないからだ。妬みから嫌がらせをする人は、嫌がらせをしたから悪いのであって、感情を持っているだけで何もしなければ悪くないだろう。

日本国憲法第19条でも思想・良心の自由が保障されている。悪いのは基本的に行動で、頭の中じゃない

ここまで書けばもうお気づきだろう。そう、変えるべきは行動である

 

テクニック① 「私は今怒っている」と唱える

まずひとつ目のテクニックを紹介しよう。この方法はとってもシンプル。ムカッとしてどうしようもない時に「私は今、怒っている」と唱えるこれだけだ。本当に効果があるのかと疑うかもしれないがこれが馬鹿にできない。なぜなら、最速で客観視できる方法だからだ。

怒っている時、多くの人は自分が怒っていることに気づいていない。怒っているときに頭にあるのは「いかに自分が正しくて相手が間違っているか」ということだ。だから、「怒ってる?」と聞かれると自分が間違っていると言われたように感じ、「怒ってない!!」とますます怒り出す。

怒りとは極めて主観的な感情だ。客観視しながら怒る人などいない。まずは自分の感情に気付こう。

 

他人が怒っているときは?

怒っている人を見て自分までイライラした経験はないだろうか。職場で、家で、あるいはテレビの中かもしれない。このようにイライラが伝染してしまう現象では、ミラーニューロンという脳神経の働きで他人を無意識に模倣する現象が起こっているのではないかと言われている。もらい笑いやもらい泣きも同じだ。

二次災害的なストレスから身を守る一番簡単な方法は近づかないことだ。怒っている人には近づかない、イライラするニュースは見ない、愚痴の多いSNSはミュートする。

それでもどうしても避けられない状況では「〇〇さんは今、怒っている」と唱えればいい。脳に「自分は自分、他人は他人」と言い聞かせることであっさりと収まる。

 

テクニック② 自分はなぜ怒ってるのか考える

怒っていることに気づいたら次に試してほしい方法だ。正直これだけでいいくらい強力だ。この記事の目玉と言ってもいい。それは、怒っているときに「自分はなぜ怒っているんだろう」と考えるだけ。

考えるだけでも効果はあるが、初心者は紙に書き出すのを強くおすすめする。具体例でやり方を説明しよう。

  • 私は怒っている!
  • どうして? 友達を信じて貸したのにカメラを壊された!
  • なぜ壊してはいけないと思ったの? 壊してしまったことはしょうがないが、誠意が見えないから! 迷惑をかけたら謝るのが当然でしょ!

このように自分は何が嫌で、相手に何を求めているのかを考える。この例では「迷惑をかけたのに不誠実」なことが嫌で、「謝罪」を求めている。

ところで、お悩み相談の手紙を書いたらそれだけで悩みがスッキリしてしまった、という話を聞いたことはないだろうか。また、人に相談したら気持ちが楽になった経験は誰もあるだろう。どうして解決するのか。自分は何が嫌で、相手に何を求めているのか、整理できたからだ。それが分かるだけで、解決方法を考えるなど理性的な行動を取れるようになる。

しつこいようだが自分を責める必要は全くない。醜い考えが浮かんだと思っても、どうしてそう思ったかを深く考えることが大切だ。

また、紙に書き出すのは深い思考をするのに大いに役立つ。会議をするのにメモをしないことがないように、効率的な考え事をしたい時は紙とペンを用意しよう。

 

怒りって、なに?

そもそも怒りとは「期待はずれ」である。嘘だと思うならぜひ「期待はずれ」ではない怒りを探してみてほしい。例外なく相手、自分、社会、世の中のルール、何かしらに期待している。それが裏切られたときに発生しているはずだ。 

またその過程で「〇〇するべきだ」という思い込みがあることも多い。これも立派な期待の一種だが、大体の人は求めていることに気づいていない。有名人は発言に責任を持つべきだ、マスコミは真実を報道すべきだ、恋人とは秘密を作らないべきだ。こういう考えが浮かんだら「そうか、私は相手に〇〇してほしいんだ」と冷静に分析する。正しいかどうかは関係がなく、あくまで気付くことが重要だ。

 

相手は変えられない?

相手に求めていることを理解できて、それでも絶対にしてほしいと思うことがあるかもしれない。絶対に相手が間違っている、どうしても謝ってほしい、どうしてもあの行動が許せない・・・。だが、相手の考えを変えるのは難しい。

相手の考えを簡単に変えられると仮定すると、あなたの考えも相手によって簡単に変えられなければならないことになる。この難しさが理解できただろうか。

嫌な人とは関わらない、相手を許せるようになる。自分を変える方が遥かに簡単だ。

 

テクニック③ あり得るかもしれない状況を妄想する

3つ目は少しテイストの違うものを紹介する。癖をつけるのは少し難しいがその効果は絶大だ。

 

例えば、こんなシチュエーションを想像してみよう。

 あなたはずっと楽しみにしていた1日100個限定のドーナツを買おうと列に並んでいる。そこに、スマホを見ながら列に割り込んできた女子高生が。あなたの目の前に堂々と悪びれることなく立っている。そしてあなたは心の中でで激怒した。ありえない!!!

このテクニックではここで妄想を始める。この人が列を抜かすのはどうして? と自然に疑問を持つのが大事だ

例えばこんなふうに。

  • 女子高生には祖母がいた。祖母は病気で今すぐにも死んでしまいそうだが、最期にお気に入りのドーナツが食べたいと言われ、買いにきた。罪悪感はあったが早く届けるために列に割り込んだ。スマホを見ていたのは祖母の状況が気になって仕方なかったから。
  • そもそもスマホを見ていてあなたが並んでいるのに気づいてなかった。
  • スマホに夢中で隣のラーメン屋さんの列だと勘違いしていた。
  • 両親から虐待を受けており、親と一緒に出かけたことがなかった。そのため割り込むのが悪いことだと教わったことがなかった。 

ここでは4つ例を挙げたが、実際には1つ考えるだけでほとんど怒りはなくなる。

こんな状況ありえない? 大丈夫、妄想でいいのだ。「もしかしたら」という不安は十分に衝動のブレーキになる。とにかく「どんな理由があれば相手はそうするんだろう?」と疑問を持つことが重要だ。 

怒りがなくなれば冷静な判断ができる。だから抜かされたくないなら、冷静に一声かければいい。

 

相手のメリットを考える 

テクニック③が使えない場合がある。相手が100%悪いときだ。

100%のことなんてないので、大抵の場合”妄想”ができるが、例えばこんな時は難しい。

 どう考えても凶悪殺人の犯人なのに、反省していない。それどころか知的障害があるかのように振る舞って罪を免れようとしている。

本当は無罪かもしれない、と絶対に思えない態度だったとしよう。そんな時でも怒らない考え方は、

「人はそれぞれ自分のメリットに従って生きている」

犯人にとってのメリットはなにか。刑罰が軽くなること謝罪して遺族に赦してもらうこと罪の意識から逃れること。人によってさまざまだ。誰かをいじめるのはその人にとって楽しいから。怠けて働かないのは楽でいいと思っているから。

相手の信条はあなたの良心とはなんら関係がない。そういうことは裁判所の仕事だ。

 

感情と論理

ここまでの方法で怒りは収まっただろうか? ただ、そこで終わりにしてしまってはやがてストレスが溜まる。私は怒りを我慢すべきだとは思っていない。

冷静になって自分が求めていたものがわかれば、論理的に解決策を考えるべきだ。

怒りに限った話ではないが、感情と論理は別々に考える必要があると思う。それが人間的な幸せの掴み方ではないだろうか?

 

怒らないことは目的じゃない 

大好きな言葉がある。「とらドラ!」という有名なアニメのワンシーンだ。

文化祭の準備中。主人公の高須竜児は、櫛枝実乃梨という女子とちょっとしたことで喧嘩をしてしまい、ギクシャクしてしまう。共通の友達でヒロインの逢坂大河から仲直りをお願いされるシーンでのセリフだ。

「ちゃんと謝ってよね」

「俺は…間違ったことは言ってないつもりだ」

「そうじゃない、間違ってるとか間違ってないとかじゃないの。そんなことより大切なことってあるから。だから謝るとか許すとか、そういうのが必要になってくるの」

                           とらドラ!12話より

この作品ではこのほかにも多くの「衝突」が起こる。怒って傷つけて初めて本音が見える、怖くても「逃げない」ことを語りかけている。

怒らないことが目的ではない。怒ることは必ずしも悪いことではない。ただ、怒った結果本当に大切なことを見失わないようにしたい。

 

まとめ

  • 怒りを抑えるテクニックは、感情に気付き、どうしてか考える。相手の状況を妄想をすること。
  • 冷静になったら解決法を考えること。
  • 「そんなことより大切なもの」があるかもしれない。

 

 以上です。最後までご閲覧いただきありがとうございました。